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はじめに
市町村で保健医療福祉事業を進めていく上で、PDCAサイクルに基づくマネジメントが求められ、事業評価やそれに基づく事業の見直しや改善が行われています。また、市町村が策定する保健医療福祉計画は増大してきており、これらの計画において評価が求められています。さらに、保健福祉分野の事業の一体的な展開の必要性などから保健師の分散配置先は1市町村平均6.2部署(係レベル)であり、分散配置先の保健師のキャリアアップのために必要と考える研修内容は「PDCAサイクルに基づく事業・施策評価」が73.7%と最も多くなっています1)。
このように市町村レベルで保健師が行う評価は、その対象分野が拡大するだけでなく、評価に関する制度や仕組みの見直しへの対応が求められてきています。
「評価」への取り組みについて、現場の保健師の方からは、「評価は大変だけど関係部署との対話につながるのでよいこと」と前向きに捉えた発言が聞こえてくる一方で、「時間不足で評価結果を活用できておらずもったいない」「業務のなかにどのように評価を埋め込むのか思案している」といった悩みもよく聞こえてきます。また、「どの本を読んだらいいか分からない」「資料により、使われている用語に違いがある」など、分かりにくさに困っている状況もあるようです。
筆者らは、市町村の保健師という立場に立って、事業評価を見つめ直すとともに、問題点や困難点の解決の糸口を探るため、6名のメンバーによる「地域保健の事業評価を語ろう会」注)を設置し、2年以上にわたり検討を重ねてきました。
今回、これまでの検討を踏まえて、事業評価に係る基本的な考え方や留意点などを整理し、本連載を企画いたしました。本連載を通じて、事業評価に対する理解が進み、抱えている問題点や困難点を解決する一助となることを願います。

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