連載 発育性股関節形成不全(乳児股関節脱臼)の予防への挑戦・3
愛知県でのリスク因子確認の実践について
服部 義
1,2
1あおぞらファミリークリニックこども整形外科センター
2あいち小児保健医療総合センター
pp.86-90
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134883330820010086
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はじめに
2013(平成25)年、日本小児整形外科学会マルチセンタースタディ委員会は発育性股関節形成不全(DDH)の全国多施設調査を行いました。対象施設は全国の大学病院、小児病院、肢体不自由児療育施設とその他の日本整形外科学会認定研修施設などの1987施設で、2011(平成23)年4月〜2013年3月の2年間に初診した亜脱臼や臼蓋形成不全、また奇形性脱臼を除いた未整復のDDH(完全脱臼)例を各施設から報告をいただきました。
私は事務局としてこの調査をまとめましたが、結果は驚くべきものでした。全国から2年間で1295例の完全脱臼例が報告されましたが、1歳以上まで診断されなかった診断遅延例が199例と全体の15%を占め、その中で3歳以上まで診断が遅れた例が36例もありました。
股関節脱臼は6カ月までに診断されれば、外来装具治療で整復することができますが、それ以上の月齢では牽引や手術治療など入院治療が必要となり、治療期間も長期化します。全国の小児整形外科医から「これはなんとかせないかん」という多くの声が上がりました。本稿は他の回と一部重複する内容があるかもしれませんが、全国多施設調査以後の股関節脱臼健診の取り組みと愛知県での実践に関して報告したいと思います。

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