特集 産む人と家族の選択肢を増やす 「女性のための妊娠・出産のガイドライン」臨床での活用
Q5 出産で子宮口が完全に開いてから赤ちゃんが生まれるまでのとき,産婦さんは横になった姿勢よりも上体を起こした姿勢を取るほうがよいですか?
上田 佳世
1
1奈良県立医科大学大学院看護学研究科女性健康・助産学
pp.218-223
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134781680790030218
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Answer
出産で子宮口が全開してから赤ちゃんが生まれるまでのとき,産痛がある中で,産婦さんは自身にとってより心地よい姿勢を取り,できる範囲で自由に体を動かすことができます。
産婦さんが横になった姿勢よりも,上体を起こしたいろいろな姿勢を取る方が出産によい影響があります。これは,赤ちゃんが生まれるまでの時間がわずかに短くなり,会陰切開や器械を使った分娩(吸引分娩や鉗子分娩)を減らす可能性があるためです。
ガイドラインでは,一人一人の状況に合わせて対応することが提案されています。妊産婦さんは,産前は妊婦健診や助産外来,産前教室などで,出産中は助産師に,自分が快適に感じる姿勢をどうしたら取れるか相談することができます1,2)。

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