連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・40
お母さんに出会うために生まれてくる赤ちゃん
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.638-639
発行日 2007年7月25日
Published Date 2007/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101053
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医療のなかのお産は当たり前?
人類の歴史は一体何年であろうか? 少なくとも3,000年は続いてきているだろう。そのうち,医療施設でお産が行なわれるようになったのはここ100年ぐらいでしかない。いまではお産は“何かあったら困るから病院で”という考えが大多数だ。医療のおかげで,お産で命を亡くす人が飛躍的に減ったのは事実ではある。しかし,本当に医療がなければお産はできないのだろうか?
日本で若手の助産師さんのお話を聞く機会があった。学生の時から病院での管理出産(?)しか経験したことがない彼女たちは,“お産は管理し産ませてあげるもの”と考えていた。その事実に私はかなりの衝撃を受けた。「産ませてあげる? えー,すごい技術だねー」と言うと,彼女たちは当たり前のように「そうですよ,それが病院での仕事ですから」と答えた。
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