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日本老年学会・日本老年医学会「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」報告書(2017年3月)において,近年の高齢者の心身の老化現象に関するさまざまな調査の経年的変化を分析した結果,とくに前期高齢者では心身の健康が維持され,活発な社会活動が可能な人の割合が多く,従来の65歳以上を高齢者とすることが疑問視されるようになった.以上を踏まえて,同報告では75歳以上を高齢者の新たな定義とすることが提案された.65歳という暦年齢で画一的に高齢者と定義することを改め,元気で意欲のある高齢者が活躍するエイジフリー社会の創造が重要となってくる.また,「高齢社会対策大綱」においても,「65歳以上を一律に『高齢者』とみる一般的な傾向は,現状に照らせばもはや現実的なものではなくなりつつある.」とされている.
2023年,わが国の平均寿命は男性81.09歳,女性87.14歳になった(厚生労働省,2023a).高齢化率は29.1%,前期高齢者割合の13.0%に対して,後期高齢者人口割合は16.1%と上回っている(内閣府,2024).わが国では,要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を推進してきた(厚生労働省,2023b).2023年6月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立した.認知症の人が尊厳を保持し,希望をもって暮らすことができるよう,認知症施策が総合的かつ計画的に推進されている(厚生労働省,2023c).このような状況のなか,団塊の世代が75歳以上となる2025(令和7)年以降は,国民の医療や介護の需要が,さらに増加することが見込まれている.
このような背景を踏まえて,日本老年学会では「高齢者および高齢社会に関する検討ワーキンググループ報告書2024」を作成した.日本老年看護学会では,「第8章 高齢者ケア」を担当して,超高齢社会においてAging in Placeを達成するための健康長寿を支える高齢者ケア体制の推進に関する経時的な分析を行った.本稿では,本報告書の担当章を含む日本老年看護学会会員にとって有用な各章の概要について紹介する.
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