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特集2 高齢者の睡眠の質を高めるケア
施設入居の要介護高齢者の睡眠改善ケア
Care to Improve the Sleep Quality for Elderly Residents at a Nursing Home
笠井 恭子
1
Kyoko Kasai
1
1福井県立大学看護福祉学部
1Fukui Prefectural University Faculty of Nursing and Social Welfare Sciences
pp.44-48
発行日 2024年1月31日
Published Date 2024/1/31
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Ⅰ.はじめに
高齢化の進展に伴い,65歳以上の要介護者数は増加の一途をたどっている(内閣府,2023).要介護高齢者は身体可動性や認知機能の低下により,自分の意思で活動し生活リズムを作り出すことが難しい.そのため,睡眠障害に陥るリスクが高く,よりよい睡眠に向けたケアのあり方を検討することは重要な課題である.健康人は自分自身の睡眠の良し悪しを自覚し,改善するための対策を自分でとることが可能であるが,要介護高齢者の場合,その手立ては看護者や介護者の手に委ねられている.これらのことから筆者は,要介護高齢者の睡眠の実態を明らかにするとともに,睡眠改善ケアのあり方を検討している.
本稿では,施設(特別養護老人ホーム)に入居している要介護高齢者に着目し,睡眠状態を長期追跡的に記録し,その実態を明らかにした研究から(笠井ら,2015,2016,2017),睡眠改善ケアを提案する.さらに,施設と協働し睡眠改善に向けて取り組んだ事例を紹介し,今後の展望について述べる.
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