特集 リカバリー時代の精神症状論 どうやって「その人」を見ながら?
—CNSはどのように学び、実践応用しているか②—精神症状を知っていたからといって、看護はできないけれど
後藤 優子
1
1医療法人社団積信会長谷川病院
pp.26-30
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280010026
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その人らしさと精神症状を見るということ
看護師がラウンドに行くとき、あるいは面談をするとき、患者さんの話を聴きます。
Aさんは、とにかく痩せなければいけないと筋トレを一日何百回、廊下を何十往復とすることを、身体がボロボロになってもやめられませんでした。痩せなきゃ、もっと痩せなきゃと160cmの女性が30kg台になるほどです。言葉にならない叫び声の頃から繰り返しAさんの話を聴いていると、どうやら痩せなければいけないという考えの根底の一部には、自分が歳をとったときに父と母は死んでしまう、だから美しくなって結婚しなければという思いがありそうだということがわかったりするのです。
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