徹底分析シリーズ 手術場での急変対応—チーム医療で患者を救おう
コラム:心タンポナーデを合併した大動脈解離の対応と麻酔管理
三木 陽南子
1
,
若泉 謙太
2
Hinako MIKI
1
,
Kenta WAKAIZUMI
2
1川崎市立川崎病院 麻酔科
2慶應義塾大学医学部 麻酔学教室・慶應義塾大学病院 周術期センター/痛み診療センター
pp.375-377
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360330040375
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大動脈解離は,発症から短時間で致死的転帰に至り得る疾患である。なかでもA型解離では,心タンポナーデの併発が突然死の主因となる1,2)。救急外来やICUで一見安定しているようにみえる症例であっても,些細な契機で循環は容易に破綻する3)。特に手術室入室後,麻酔や体位変換,侵襲的ライン確保といった刺激が加わる状況では,急変のリスクは一段と高まる3)。手術準備中に患者が急変した場合,迅速に診断し,ためらうことなく適切な対応へ移行できるかどうかが,生死を分ける。モニター上の血圧低下や脈圧の縮小だけでなく,患者の表情や訴えの変化,皮膚色などわずかな異変を含めて察知できるかどうかが,初動の早さを大きく左右する。

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