症例ライブラリー この無痛分娩依頼 どうすればいいですか?
まとめ:無痛分娩にも麻酔のプロフェッショナルとして臨む
谷 真規子
1
Makiko TANI
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域 麻酔・蘇生学
pp.1160-1161
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320121160
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日本国内の年間分娩件数は,2018年の約94万件から2024年には約72万件に減少した。しかし,その一方で無痛分娩取り扱い数は同じ時期に約4万9000件から9万9000件へと倍増し,当然ながら全分娩数に占める無痛分娩率も5.2%から13.8%に増加している1)。無痛分娩件数の増加と社会の医療安全への希求から,これまで無痛分娩にあまりかかわってこなかった麻酔科医でも,無痛分娩にかかわる機会が増加するだろう。
周産期は母体の生理学的変化が著しいにもかかわらず,「妊娠・出産は病気ではない」として母子ともに無事であることが当然と市民から期待される周産期医療は,帝王切開など手術室でしか妊産婦にかかわらない麻酔科医にとって以前から緊張を強いられるものであった。今後,麻酔科医には硬膜外麻酔のプロフェッショナルとしての役割も期待されるようになるだろう。われわれはより強い緊張感をもって周産期医療に携わる必要がある。
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