徹底分析シリーズ 麻酔科医として死に向き合う
命の瀬戸際での対話—看護が果たす心理的サポートの役割
清水 陽一
1
,
長岡 波子
1
Yoichi SHIMIZU
1
,
Namiko NAGAOKA
1
1国立健康危機管理研究機構 国立看護大学校 成人看護学
pp.804-806
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320080804
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医療の現場における「心のケア」の重要性
近年,医療における全人的ケアの重要性が強調される中で,身体的アプローチだけでなく,心理・社会・スピリチュアルな側面を含む包括的支援の必要性が明確化されている1)。特に,終末期医療や重症患者ケアの文脈において,患者の「心」に対する支援のあり方は,医療従事者にとって避けては通れない課題である。このとき,患者の「心」に寄り添う存在として看護師が果たす役割は,極めて大きなものであり,医師が疾患の説明や治療方針の決定にかかわる一方で,看護師は日々のケアを通じて,患者の声にならない訴えや微細な変化に気づき,心理的な支援を提供している。
本稿では,看護が担う心理的サポートの実践と意義について整理し,医師が臨床実践においてどのように看護師と連携し得るのかを検討する。

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