今月の主題 21世紀に向けての寄生虫症
話題
人間ドックにおける寄生虫陽性率の急上昇
山門 実
1
Minoru YAMAKADO
1
1三井記念病院総合健診センター
キーワード:
人間ドック
,
寄生虫症
,
集卵法
Keyword:
人間ドック
,
寄生虫症
,
集卵法
pp.1630-1632
発行日 1999年12月15日
Published Date 1999/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904277
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1.はじめに
寄生虫予防法の廃止,文部省の省令改正に基づく児童・生徒などの定期健康診断の見直しから,小学校高学年(第4,5,6学年)以上の児童・生徒については寄生虫虫卵の検査が省略されたことなどからわかるように,私どもの多くが"日本では寄生虫は消滅した"という認識を持っているものと思われる.事実,日本人間ドック学会においても1995年に虫卵検査を人間ドックの必須検査項目から削除してもよいとする勧告が出されている.
確かに日本住血吸虫などの特定の寄生虫は消滅したものと思われるが,厚生省の国民衛生の動向にも明記されているように,学校などにおいて低学年での寄生虫の虫卵検査の結果でも,ぎょう虫陽性者数が近年増加していることが示されている1).このように実際には寄生虫は増加しているのが現状と考えられる2).そして"食生活の油断"が寄生虫病増加の原因となっていることが多い3).
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