徹底分析シリーズ 吸入麻酔法を支える理論
ワンランク上の導入方法—「術中覚醒」という落とし穴あり
坪川 恒久
1
Tsunehisa TSUBOKAWA
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.276-284
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320030276
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麻酔導入時にすみやかに吸入麻酔薬の濃度を高めるためにはどうすればいいか,シミュレーションを用いながら,その背景理論を確認しよう。
なお,本稿のPhysio-Simの設定条件は,亜酸化窒素は使わず40%酸素を用いて換気する。患者は,38歳の男性。身長173cm,体重68kg(BMI 22.7)の健康成人。心拍出量は6260mL/min,脳血流量は753mL/min,シャントは右左とも0%,酸素消費量243mL/min,二酸化炭素産生量199mL/min,換気量は肺活量4500mL,機能的残気量500mL,としてある。ことわりがない限り使用する吸入麻酔薬はセボフルランである(38歳男性のMACは1.8%とする1))。

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