徹底分析シリーズ 吸入麻酔法を支える理論
吸入麻酔薬の作用機序—The mystery of anesthesiaに挑む
森 隆
1
,
堀 耕太郎
1
Takashi MORI
1
,
Kotaro HORI
1
1大阪公立大学大学院医学研究科 麻酔科学講座
pp.260-266
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320030260
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19世紀中頃に発見されたエーテルによる全身麻酔は,痛みのない手術を可能にし,医療に革命的な進展をもたらした。その功績は,2000年に発表されたNew England Journal of Medicineのエディトリアル1)でも,「1000年間で最も重要な医学的発展の一つ」と評価された。エーテルを源流とする吸入麻酔薬は,現在も世界中の患者の全身麻酔に日々貢献している。しかし,これらの薬物が可逆的な意識喪失を引き起こす仕組みは,180年近い歴史を経ても完全には解明されていない。“The mystery of anesthesia”は現在も研究者たちが挑み続ける課題である。

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