連載 ウェルビーイングが導く患者中心の医療の未来・11
看護師視点で考える医療DXとウェルビーイング—テクノロジーは患者の「幸福」にどう貢献できるか?
上川 重昭
1
,
清水 幸裕
2,3
,
前野 マドカ
4
,
秋山 美紀
5
1株式会社麻生 飯塚病院看護部
2特定医療法人財団五省会 西能病院 内科
3前南砺市民病院
4EVOL株式会社
5慶應義塾大学環境情報学部
pp.382-386
発行日 2026年4月10日
Published Date 2026/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550360040382
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はじめに
本連載では,患者さんのウェルビーイング(幸福)を医療の究極の目標として捉え,さまざまな角度からその実現に向けた道筋を探っています。連載第1回で清水幸裕先生が示されたように,「患者さんの笑顔が見たい」という思いは,多くの医療者に共通する原動力であり,それは無意識のうちに患者さんの「幸福」を願う心とつながっています1)。
近年,この「ウェルビーイング」という概念と共に,医療界を席巻しているのが「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)」の波です。国策としても推進され,私たちの臨床現場にも少しずつ浸透しつつあります。しかし,効率化や情報化といったテクノロジーの進展が,果たして患者さんの「幸福」という,より人間的で根源的な目標にどう結びつくのでしょうか。
本稿では,この「医療DXとウェルビーイング」というテーマを,患者さんに最も近い立場でかかわることの多い「看護師」の視点から深掘りしたいと思います。看護部DX推進担当としての私自身の経験も踏まえながら,医療DXが患者さんのウェルビーイング向上にもたらす可能性と,その実現のために乗り越えるべき課題,そして私たち看護師が果たすべき役割について考察します。

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