連載 ウェルビーイングが導く患者中心の医療の未来・7
ケアの倫理から捉えるウェルビーイング—ケアされる人(障害当事者)の視点から
安井 絢子
1
,
清水 幸裕
2,3
,
前野 マドカ
4
,
秋山 美紀
5
1関西大学文学研究科
2特定医療法人財団五省会 西能病院 内科
3前南砺市民病院
4EVOL株式会社
5慶應義塾大学環境情報学部
pp.1002-1006
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350111002
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声中心の私の世界
問題にしない時にはわかり切ったことと思われているものが,さて問題にしてみると実にわからなくなる。そういうものが我々の身辺には無数に存している。「顔面」もその一つである。(中略)
我々は顔を知らずに他の人とつき合うことができる。手紙,伝言等の言語的表現がその媒介をしてくれる。(中略)多くの場合には言語に表現せられた相手の態度から,あるいは文字における表情から,無意識的に相手の顔が想像せられている。それは通例きわめて漠然としたものであるが,それでも直接逢った時に予期との合不合をはっきり感じさせるほどの力強いものである。1)

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