増刊号 就学・就労支援
第3部 はたらく:就労
第2章 各就労支援領域
12 身体障害者の復職支援の実際—右片麻痺が残存した脳卒中患者の事例を通して
是枝 晋也
1
,
橘 智弘
1,2
,
豊永 敏宏
1
,
三浦 裕正
1,2
Shinya Koreeda
1
,
Tomohiro Tachibana
1,2
,
Toshihiro Toyonaga
1
,
Hiromasa Miura
1,2
1九州労災病院 治療就労両立支援センター
2九州労災病院
pp.923-927
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590080923
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はじめに
われわれが勤務する九州労災病院は労働者健康安全機構に属し,患者の平均在院日数が12.7日〔2023年度(令和5年度)〕で,24の診療科を標榜する450床の急性期総合病院である.労働者健康安全機構が掲げる勤労者医療の理念に基づいて,当院および当院の治療就労両立支援センター(以下,両立支援センター)は患者に治療と仕事の両立を支援している(図 1).
筆頭筆者は当院の両立支援センターへ赴任して以来,これまで医療機関や介護保険事業所の現場で作業療法士として勤務してきた経験を活かしつつ,後述するような両立支援コーディネーターとして患者の復職を支援している.本稿では,作業療法士でもあり両立支援コーディネーターでもある筆頭筆者が実際に復職を支援した,右片麻痺が残存した脳卒中患者の復職支援事例を基にして,その支援の方法とポイントを医療の立場から両立支援コーディネーターとしての視点を交えつつ,作業療法士の視点で概説する.
なお,本事例を提示するにあたって,患者の同意を得た.

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