増刊号 就学・就労支援
第3部 はたらく:就労
第2章 各就労支援領域
2 一般就労を支える段階的支援と地域ネットワークの実践
永田 作馬
1
,
斉喜 祐輔
2
,
吉田 篤史
1
,
大石 和磨
1
Sakuma Nagata
1
,
Yusuke Saiki
2
,
Atsushi Yoshida
1
,
Kazuma Oishi
1
1葛城病院
2一般社団法人じょいなす 泉州中障害者就業・生活支援センター
pp.874-878
発行日 2025年7月20日
Published Date 2025/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590080874
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はじめに
高次脳機能障害を有する対象者が病院を退院してから復職・新規就労を目指す中で,どのような就労支援機関につなげるか,あるいはその後の継続的なステップアップに必要な手段は何かと検討することは重要である.しかし,私(以下,筆者)のように病院で勤務する作業療法士としては,なかなか手が届きにくい領域でもある.特に重度の高次脳機能障害により,日常生活においても支援が必要な対象者に対しては,より長期にわたる段階的な支援が必要となる.本稿では,これらの課題に着目して,筆者が今まで経験した中で最も長く,かつ段階的な支援が必要であった事例の経過を振り返ることで,今後の地域ネットワークのあり方を考える一助としたい.なお,本事例(以下,Z氏)には口頭にて十分な説明を行い,本稿での取り扱いについて同意を得ている.

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