特集 非がん患者の緩和ケア
コラム:—私にとっての緩和ケア—その人なりの普通を支援すること
大村 恵子
1
1アットホーム表参道クリニック
pp.669
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590070669
- 有料閲覧
- 文献概要
今から16年前のことです.2009年9月,当時9歳だった私の息子は,退形成性星細胞腫と診断されました.腫瘍は視床〜脳幹部にかけて存在していたため手術で摘出することは困難で5年生存率20%…….晴天の霹靂でした.それまで元気に育ってきた息子がまさか病気になるなんて,夢にも思いませんでした.
入院中の放射線治療中に息子が,「学校,何してるかな?」,「学芸会の配役決まったかな?」と,私の心配をよそに日々の心配をしていました.診断を受け,私は「もう学校なんてどうでもいい.残された日々を息子と暮らしたい」と思っていました.でも息子は今まで通りの,普通の小学4年生の日々を送りたいと思っていたのです.
Copyright © 2025, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.