検査じょうほう室 血液 血液染色のコツ
普通染色
田中 由美子
1
,
権藤 和美
1
1東海大学医学部付属病院臨床検査科
pp.278-282
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100603
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はじめに
末梢血塗抹標本で観察される所見には,各血球数の異常,白血球分画の異常,幼若細胞の出現の有無,異型リンパ球や異常細胞の出現の有無,各血球の形態異常,各血球の凝集の有無など,診断上有益なさまざまな情報を提供する簡便かつ迅速な日常検査である.なかでも白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍では,確定診断の情報を提供するうえで細胞判読が重要となる.
末梢血・骨髄での塗抹標本の観察には,適切に塗抹された標本が前提であり,細胞判読がしやすい染色標本であること,細胞判読者が正しい細胞判定のできることが重要である.
われわれは日常の末梢血検査で塗抹標本を作製し,普通染色後,細胞分類を行っているが,現在,用手法に代わり塗抹標本の作製・染色までの工程が自動化された自動塗抹標本作製・染色装置が多くの施設で導入され日常検査に用いられている.
今回は,普通染色の方法やコツを述べるとともに自動塗抹染色装置での普通染色法についても紹介する.
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