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桜の花が満開を迎えています.寒い日が続き,季節外れの雪も降り,春は一体いつ来るのかと思っていましたが,桜は咲き,春がやって来ました.同時に,「新」とつく人たちが世間では多く出ているところです.桜の花と真新しいスーツや制服に身を包む人たちを見るとき,自分の日常は変わらないのに,なぜかうれしく,心ワクワクする.春はそんな気持ちを運んできてくれます.
さて,特集「地域で子どもたちを支える—『参加』を支援すること」では,2025年地域包括ケアシステムの節目の年に,発達障害領域で働く作業療法士にとって,貴重な情報を届けることができたと思っています.今回の特集からは,作業療法の領域・職域が拡大していることも感じられ,現場の最前線を垣間見ることができます.さまざまなかたちで,子どもたちが生活する地域で,実空間の中で「参加」を支援することが,不可欠な時代になってきています.今の時代の,そしてこれからの子どもの参加支援の概念を整理し,現場での実践に大いに役立てることができる内容になっていると思います.また,学校作業療法や検診等は,いずれも地域の,子どもとその家族のニーズに応えるかたちで始められ,実践されてきた活動と思います.実践してきた結果が,今,次の段階へ拡大・拡張していこうとしているところではないかと思います.検診は5歳児検診への作業療法士の参画へ,学校作業療法は学校作業療法室へと発展しています.歴史は浅くとも,これからの将来に大きな期待がもてるところだと思います.施設や病院でのみ子どもに作業療法が実践されていた時代から比べ,はるかに幅広く,場所にこだわらず,必要とする人たちに,作業療法を届けられるように変化・成長しています.

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