連載 作業療法を深める・第98回
生活保護—基本的な仕組みと動向
山田 壮志郎
1
Soshiro Yamada
1
1日本福祉大学 社会福祉学部
pp.50-53
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590010050
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はじめに
現代社会に生きる私たちの人生には,老齢や疾病,障害や失業等,貧困状態を招くおそれのあるさまざまなリスクがある.一歩足を踏み外すと貧困に陥る綱渡りのような人生を安心して歩んでいくためには,安全網(セーフティネット)が必要となる.年金や医療保険,雇用保険等の社会保険制度がセーフティネットの役割を果たしているが,それでも何らかの事情により社会保険の給付から漏れ,生活に困窮して最低限度の生活が営めなくなることがある.その際,最後のセーフティネットとして私たちの生活を支えるのが生活保護制度である.経済的に困窮する人々は,作業療法の現場にも必ずいる.そうした人々の生活を下支えする生活保護がどのような制度なのか,またどのような現状にあるのか考えてみたい.
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