講座 作業療法とコミュニティデザイン・まちづくり・第2回
コラム:作業療法士として,愛南町の農業者として
田上 純一
1
1多機能型事業所 南生
pp.48-49
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590010048
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私が愛南町にお世話になるようになったのは,地元福岡の養成校を卒業後,2010年(平成22年)の4月から.御荘病院(現御荘診療所)に入職し,2014年(平成26年)5月まで病棟で精神科作業療法と訪問看護に携わっていた.同年6月に同法人で就労継続支援B型事業所の南生を立ち上げ,現在に至る.
南生の立ち上げ当初は,とにかく仕事をつくることに苦心していた記憶がある.今となれば,仕事はいくらでもあるように思うが,当時はとにかく私の引き出しが足りていなかった.なんぐん市場で取り組んでいる農作業の一部を委託してもらいながら,農業とのかかわりを深めていった.その中で,地域で農業を営んでいる方と交流する機会も得ることができた.右も左もわからない,経験も知識も不足してる私たちを支えてくれたのは,いつでも地域の農家さんだった.とにかくわからないことがあれば何でも相談して,教えてもらったことをまずはやってみる.うまくいかなければまた相談する.何度もコミュニケーションをとっていく中で,こちらが本気で取り組もうとしていることが伝わると,相手も本気で教えてくれる.その想いに応えようと必死だったように思う.
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