連載 臨床理学療法に活かす生理学・第4回
呼吸困難を軽減するための生理学—原因,機序,評価と理学療法
金﨑 雅史
1
Masashi KANEZAKI
1
1東京国際大学医療健康学部理学療法学科
キーワード:
換気とガス交換
,
横隔膜
,
呼吸補助筋
,
体位の影響
,
酸素化能
Keyword:
換気とガス交換
,
横隔膜
,
呼吸補助筋
,
体位の影響
,
酸素化能
pp.449-453
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520600040449
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緒言
呼吸困難(dyspnea)は,呼吸器疾患患者において頻繁に観察される症状であり,生活の質(QOL)を著しく損なう主要因である.米国胸部疾患学会(American Thoracic Society:ATS)は,呼吸困難を「さまざまな感覚強度で異なる種類の呼吸感覚からなる呼吸のつらさの主観的経験」と定義している1).この定義が示唆するように,呼吸困難は単一の生理学的現象ではなく,生理学的,心理的,社会的要因が複雑に絡み合う多次元的な体験として捉える必要がある.
臨床において,労作性呼吸困難は活動回避行動を引き起こし,身体不活動(deconditioning)を招く.身体機能の低下は,より低強度の活動での呼吸困難を誘発し,さらなる活動制限を生むという負のスパイラルを形成する.加えて,強度の高い呼吸困難の記憶は情動的な修飾を受けやすく,次回の呼吸困難体験を増悪させる因子となるため,生理学的背景を理解し,この悪循環を断つ介入が重要となる.

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