Japanese
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特集 進化する呼吸器疾患のリハビリテーション医療
1 呼吸器疾患における呼吸困難の発生機序とその対策
The Underlying Mechanisms of Breathlessness in Respiratory Diseases and Strategies to Counteract It
金﨑 雅史
1
Masashi Kanezaki
1
1東京国際大学医療健康学部理学療法学科
キーワード:
呼吸困難
,
吸気神経ドライブ
,
サルコペニア
,
L-メントール嗅覚刺激
Keyword:
呼吸困難
,
吸気神経ドライブ
,
サルコペニア
,
L-メントール嗅覚刺激
pp.96-101
発行日 2023年2月18日
Published Date 2023/2/18
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要旨 呼吸困難は複数の感覚と情動的側面から構成される.また,呼吸困難は身体活動やQOL,医療費,死亡率と関連することが知られ,そのメカニズムの把握と介入は重要である.しかしながら,多くの患者において,適切な治療でも,なお呼吸困難が残存していることが問題となっており,普段の生活において呼吸困難に関するunmet needが存在することが示唆されている.慢性閉塞性肺疾患における呼吸困難において,気管支拡張薬が有用であるが,呼吸困難を征圧するに至っていない.また,モルヒネによる呼吸困難の緩和においても,一致した見解が得られておらず.さらなる介入方策が求められている.一方,携帯型扇風機による顔面への送風やメントールによる呼吸困難の緩和は比較的容易に利用でき,その有効性が近年報告されている.加えて,サルコペニアを合併する慢性閉塞性肺疾患患者においては,浅速呼吸が呼吸困難の悪化の要因となっており,吸気筋力トレーニングが有用であることが示唆されている.
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