連載 薬剤と理学療法・第7回
吸入薬
阿部 誠也
1
,
船木 麻美
2
Seiya ABE
1
,
Asami FUNAKI
2
1亀田総合病院薬剤部院内調剤科
2亀田総合病院薬剤部臨床薬剤科
pp.849-854
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590070849
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吸入薬は,気道疾患の治療において不可欠な薬剤であり,喘息や慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)などの患者の呼吸機能を維持・改善するうえで重要な役割を果たす.これらの疾患では,気道の慢性炎症や閉塞が特徴的であり,適切な薬剤の選択とデバイスの使用が治療効果を左右する.
COPDは主に喫煙や大気汚染などの長期的な有害物質曝露により気道が狭窄し,進行性の呼吸機能低下を引き起こす疾患である.COPDの治療では,長時間作用型抗コリン薬(long acting muscarinic antagonist:LAMA)や長時間作用型β2刺激薬(long acting β2 agonist:LABA)が主軸となるが,増悪頻度が高い場合は吸入ステロイド(inhaled corticosteroid:ICS)を併用することもある.また,非薬物療法として禁煙指導,呼吸リハビリテーション,栄養管理などの多角的なアプローチが推奨される.

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