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はじめに
高齢化が進行する本邦では,びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH)を合併した骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)患者が増加傾向にある.DISH患者では,椎体外の骨性架橋により椎体内の骨脆弱性が増し,さらに椎体が癒合し長いレバーアームが形成されるため,従来の椎弓根スクリュー(pedicle screw:PS)固定では強固な固定が難しく,手術後のインプラント関連合併症が多いことが課題となっている.そのため,3 above-3 below以上の長範囲固定が推奨されてきた1).こうした背景のもと,われわれはDISH患者における固定力向上を目的として,新しい経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)刺入法である,single or double endplates penetrating screw(SEPS/DEPS)を開発し,これまでに報告してきた4).近年,脆弱骨に対してインプラント関連合併症(implant failure:IF)が少ないと報告されている,セメント注入型スクリュー(cement augmented pedicle screw:CAPS)8)が本邦にも導入された.詳細は本特集の他項を参照されたいが,無症候性例も含めると約半数の症例で椎体外へのセメント漏出を認めるとの報告もあり2),使用の際にはセメント粘度管理に細心の注意を要する.われわれは,CAPS導入以前よりDISH関連脊椎骨折に対する脊椎固定術においてSEPS/DEPS法を用いてきた.特に,海綿骨の骨梁構造が不明瞭になるほど高度の脆弱性を呈するDISH患者に対しては,セメントが海綿骨に固着することで固定力を得るCAPSよりも,骨強度がわずかでも残存する終板の皮質骨を利用して固定力を得るSEPS/DEPS法のほうがより高い固定力を得られると仮定し,積極的に本法を適用している.
本稿では,終板を一枚のみ貫通するSEPS法と,2枚貫通するDEPS法に分けてその概要を紹介し,手術適応および具体的な手技について症例提示とともに述べる.さらに,われわれが行った臨床研究に加え,有限要素法(finite element method:FEM)解析5,7),および解剖体研究6)の基礎的検討結果をもとに,固定強度ならびにDEPS法における最適なスクリュー軌道についても報告する.

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