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はじめに
がん治療の進歩に伴い,全がん患者の5年生存率は上昇傾向にあり,がんと診断されても長期間生存することが可能になっている27).これに伴い,骨転移と診断され治療を受ける患者数も増加し,治療期間も長期化する傾向にある10).骨転移は,適切な診断・治療がなされなければ,病的骨折や脊髄麻痺などの骨関連有害事象を引き起こす5,7,8,23,25).このような骨関連有害事象を減らすためには,骨転移を早期に発見し,骨修飾薬の投与や放射線治療などの治療介入を適切なタイミングで開始することが重要である.
骨転移の早期発見と早期治療介入は,患者の日常生活動作(activities of daily living:ADL)やQOLの維持・改善につながり,さらには生命予後の延長にもつながる6,9).骨転移の画像診断には,CT,MRI,PETなど複数の方法があり,それぞれ異なる強みがある13,17,20).CTは,その優れた空間・骨構造分解能と簡便な操作性から,がん患者の経過観察に最も頻繁に使用されている13,20).しかし,骨転移の画像診断は整形外科医や放射線診断医にとっても困難なことが多く,病変の見落としによる病的骨折や脊髄麻痺の発症はどこの病院でもまれではないと推測される.このようなヒューマンエラーを減らすことができれば,患者のQOLの低下を防ぐことができるだけでなく,病的骨折や脊髄麻痺による緊急手術の件数を減らすことができ,がん終末期の治療費や介護費の削減にもつながる.
そこで本研究は,東京医科歯科大学病院(現東京科学大学病院)における骨転移患者の診療中に得られたCT画像データを活用し,骨転移の画像診断精度をAIモデルを用いて向上させることを目的として実施した.

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