Japanese
English
特集 髄外腫瘍の手術を極める
神経鞘腫—上位頸椎ダンベル型
High Cervical Dumbbell Schwannoma
内藤 堅太郎
1
Kentaro NAITO
1
1大阪公立大学大学院医学研究科脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄神経鞘腫
,
spinal schwannoma
,
上位頸椎
,
high cervical spine
,
ダンベル型腫瘍
,
dumbbell-shaped tumor
Keyword:
脊髄神経鞘腫
,
spinal schwannoma
,
上位頸椎
,
high cervical spine
,
ダンベル型腫瘍
,
dumbbell-shaped tumor
pp.530-534
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380090530
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はじめに
環椎と軸椎から構成される上位頸椎は,複雑な運動機能と頭部に対する支持性を両立するために,中下位頸椎と比較して,筋・靭帯・骨の解剖学的構造がより複雑なものとなっている11).そのため,上位頸椎における手術に際しては,その解剖を熟知することが必須である.後頭骨環椎間と環軸椎間ともに,いわゆる椎間孔が存在せず,両側外側環軸関節の背側に神経節が位置する.椎間孔と異なり周囲が骨に囲まれていないため,腫瘍は神経節近傍で増大しやすく,さらに上位頸椎レベルでは硬膜管内径が大きいことも影響し,脊髄圧迫症状出現時には腫瘍が大きく発育していることもまれではない1,9).また,発生過程に伴う複雑な椎骨動脈の走行やその周囲に発達する静脈叢にも注意が必要となる7).一方で,中下位頸椎と異なり椎間孔を介する腫瘍ではないため,適切な手術アプローチを選択することにより,脊椎固定を要さずに腫瘍の全摘出が可能となる場合も多い.本稿では,上位頸椎レベルのダンベル型神経鞘腫の手術方法について解説する.

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