Japanese
English
特集 椎骨動脈を極める
脊椎・脊髄腫瘍手術における椎骨動脈マネジメント
The Management of Vertebral Artery in the Surgery of Spinal and Spinal Cord Tumor
内藤 堅太郎
1
Kentaro NAITO
1
1大阪公立大学大学院医学研究科脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine
キーワード:
脊髄神経鞘腫
,
spinal schwannoma
,
大孔部髄膜腫
,
foramen magnum meningioma
,
頸椎脊索腫
,
cervical chordoma
Keyword:
脊髄神経鞘腫
,
spinal schwannoma
,
大孔部髄膜腫
,
foramen magnum meningioma
,
頸椎脊索腫
,
cervical chordoma
pp.291-296
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091444120380050291
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はじめに
頭蓋頸椎移行部を含む頸椎レベルでは,椎骨動脈は椎間孔前方から横突孔内のごく限られたスペースを走行している.そのままでは動かすことが不可能である部分も多く,腫瘍により圧排または巻き込まれている場合は,術中の椎骨動脈損傷回避のための戦略が必要となる.狭い術野での安全な局所操作のためには,椎骨動脈を視認することが可能となるアプローチの選択が必要となる.実際には,脊椎または脊髄腫瘍の手術において,椎骨動脈の対応に迫られる状況は多くはないが,術中損傷に伴う出血や脳幹梗塞は致命的な合併症につながる危険性があり4),その解剖学的特徴の把握のみならず,手術アプローチの工夫についても理解しておくことが重要である.本稿では,椎骨動脈損傷回避のための手術戦略に検討を要したダンベル型神経鞘腫と頸椎脊索腫,大孔部髄膜腫の自験例を提示し,当科での工夫・戦略および実際の手術手技を解説する.

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