Japanese
English
特集 甲状腺外科の新しい展開
甲状腺癌手術—病理組織型別にみた切除範囲とその根拠
Extent of thyroidectomy for thyroid carcinoma in terms of pathologic classification
小原 孝男
1
,
山下 共行
1
,
神戸 雅子
1
Takao OBARA
1
1東京女子医科大学内分泌外科
キーワード:
甲状腺切除
,
甲状腺乳頭癌
,
甲状腺濾胞癌
,
甲状腺髄様癌
,
RET癌遺伝子
Keyword:
甲状腺切除
,
甲状腺乳頭癌
,
甲状腺濾胞癌
,
甲状腺髄様癌
,
RET癌遺伝子
pp.167-171
発行日 1996年2月20日
Published Date 1996/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902207
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甲状腺癌が一側葉に限局する場合,甲状腺切除範囲は病理組織型別に少し違った点がある.乳頭癌では,患側側葉と峡部および反対側葉の下1/3くらいを切除する亜全摘が標準的な術式である.大部分の乳頭癌は予後のよい低危険癌であり,全摘して131Ⅰ治療を加えるほどの治療を必要としないからである.濾胞癌では,広範浸潤型では全摘を行い,131Ⅰシンチグラムで遠隔転移を早期に発見し131Ⅰ治療を行う.微小浸潤型濾胞癌は葉切除で経過観察する.髄様癌のうち遺伝型は全摘が必須である.その原因遺伝子であるRET癌遺伝子の点突然変異を検索すれば,遺伝型の診断が確実につく.罹患家族員には,遺伝子診断による発症前診断・予防手術も可能な時代に入っている.
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