書評
「考える」外傷整形外科!
辻 英樹
1
1札幌琴似整形外科
pp.1197
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600101197
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
私は著者の土田芳彦先生より札幌医大整形外科医局の6年後輩である.若い時分より土田先生の明敏な頭脳と分析力,また強さと行動力に魅せられ,外傷整形外科,重度四肢外傷治療に携わってきた.多分に僭越ながら本書の書評をさせていただきたいと思う.
本書の内容の土台となっているのは,外傷整形外科を議論する「場」において議論されてきたものである.コロナ禍において,土田先生は「webセミナー」「webカンファ」「webミーディング」を精力的に開催した.議論は的が絞られ,事前・事後討論もFacebook上で徹底的に行われた.そして全ての「場」で先生はコメントし続けてきた.私がいつも感心するのは,「top contributor」として求められる「言葉」「文章」が,常に迅速かつ的確であったことである.またさらに驚くのは,ご自身の外傷センターにおけるカンファレンス全症例に対しても同様の形式で議論し続けてきたこと,そしてその全議論の文章化に努められてきたことである.本書のタイトル「考える」を実践し続けてきたのは,紛れもなく土田先生ご自身である.本書の執筆作業も,ものすごい推進力で行われたと想像する.いまさらながら先生の明敏な頭脳と分析力,そして強さと行動力に感服するばかりである.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.