特集 足関節果部骨折—最新エビデンスと治療戦略
緒言
寺本 篤史
1
Atsushi TERAMOTO
1
1札幌医科大学医学部整形外科学講座
pp.1005
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600091005
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足関節果部骨折は頻度の高い骨折であり,保存療法から手術治療まで幅広く行われている.近年,この骨折に関する議論は活発化し,各学会や誌面において多くのシンポジウムが開催されている.トピックスとなっている背景には,骨折分類と治療戦略についての発展がある.1950年に発表されたLauge-Hansen分類は,今なお足関節果部骨折発生メカニズムの理解や治療戦略の立案において重要な役割を担っているが,新たな分類との併用により,より理論的かつ合理的なプランニングが可能になってきている.また,従来の単純X線に加え,3次元画像による評価も治療方針の策定において有用となっている.
果部骨折といっても,保存療法が可能な軽症例から二期的手術を要する重症例まで幅広く,特に重症例は初期対応が重要であり,初療がその後の足関節機能に大きな影響を与える可能性がある.治療を進めるに当たっては外果・内果・後果それぞれの骨折形態を正確に把握し,確実な整復と強固な固定を行うことが治療の要である.近年は内固定に用いるインプラントのバリエーションが増え,それぞれの特徴を理解しながら術式を選択することが重要となっている.

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