誌上シンポジウム 整形外科を牽引する女性医師たち—男女共同参画
緒言
冨士 武史
1
Takeshi FUJI
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構大阪病院
pp.440
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408201350
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日本整形外科学会に2017年春,男女共同参画委員会が誕生した(当初は女性医師支援等検討委員会).整形外科は,運動器の診断から治療(保存・手術)まで幅広く,魅力ある診療科であるが,女性医師数は少なかった.超高齢社会の現在,変性疾患・外傷は増加しており,整形外科の需要が増している.したがって,学会として多くの医師を整形外科に導き,女性医師にも働きやすい環境を作っていこうというのが委員会の目的である.
この委員会を通じて私は,整形外科医として元気に働いている多くの女性医師を知り,多種多様な働き方をしている先生方に出会った.整形外科の中のサブスペシャリティをみても,手外科,スポーツ,股関節,膝関節,脊椎,肩関節,腫瘍,リウマチ,リハビリテーションなど選ぶ道に制約は感じられない.また,部門の責任者として勤務する先生はもちろんのこと,予防医学の先駆者となって行政まで動かしてしまう先生,昨年の日本整形外科学会のテーマである多職種連携の「がんロコモ」を黎明期から形作った先生,大学や基幹病院で周囲の環境を整えながら激務と家庭をうまく両立させている先生,整形外科医も続けながら教育学や医療安全・学会の広報などで奮闘する先生,など彼女たちはあらゆる分野で活躍されている.
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