Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
胃梅毒
Gastric Syphilis
堺 勇二
1
,
河内 修司
2
,
蔵原 晃一
3
Yuji Sakai
1
1舞の里内科クリニック
2千早病院消化管・胆肝膵センター
3松山赤十字病院胃腸センター
キーワード:
胃梅毒
,
性感染症
,
鑑別診断
,
梅毒性胃粘膜疹
Keyword:
胃梅毒
,
性感染症
,
鑑別診断
,
梅毒性胃粘膜疹
pp.25-27
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010025
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疾患の概要
梅毒はT. pallidum(Treponema pallidum)による性感染症で,近年,本邦では新規報告数が急増し,公衆衛生上の大きな問題となっている1).皮膚・粘膜病変が特徴的だが,あらゆる臓器に病変を生じうる全身性感染症である.消化管病変はまれだが,その中では胃に最も多くみられる2).
梅毒は,性行為による陰部などへの感染後,局所に初期硬結,硬性下疳などの一次病変を形成する(第1期).その後血行性に全身に撒布され,多彩な皮膚病変や臓器梅毒などの二次病変を生じる(第2期).以後は潜伏梅毒を経て慢性に経過し,ごく一部は第3期梅毒(心血管梅毒など)に進展する3).胃梅毒は,第2期の報告が多く,血行性に撒布された菌体と,その代謝産物に対する血管アレルギーにより形成された胃粘膜疹と推測されている4).
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