今月の臨床 一刀両断! 良性疾患の手術適応—妊孕性と症状の患者ニーズに応える
卵巣・卵管
卵管水腫に対する腹腔鏡手術
黒土 升蔵
1
,
永坂 万由子
1
,
三浦 麻世
1
,
笠原 幸代
1
,
浅井 千鶴
1
1知多半島りんくう病院婦人科ウィメンズセンター
キーワード:
卵管水腫
,
卵管摘出術
,
卵管閉塞術
,
卵管形成術
Keyword:
卵管水腫
,
卵管摘出術
,
卵管閉塞術
,
卵管形成術
pp.936-942
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650790100936
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●卵管水腫に対する手術療法には,卵管摘出術や卵管閉塞術のほか,卵管機能の温存を目的として行う卵管形成術がある.
●治療方針は,ARTに対する反応(良好胚着床困難型,良好胚獲得困難型)と卵管水腫の重症度(卵管水腫径>25mm,卵管水腫径≦25mmかつ経腟超音波で所見あり,経腟超音波で所見なし)の掛け合わせに基づいて検討する.
●卵管摘出術と卵管閉塞術との比較では,摘出術のほうが術後の妊娠率が良好である可能性があるが,卵巣予備能の低下が憂慮される症例では卵管閉塞術を選択することも考えるべきである.
●卵管形成術は術後の再閉塞や卵管妊娠の発症というデメリットもあるが,すぐにARTが成功しそうにみえて良好胚が得られないケースでは,卵管形成術を施して自然妊娠に期待するという治療方針もありうる.

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