特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅶ.その他の細胞株
温度感受性細胞株
マウス:tsFT20
花岡 文雄
1
1理化学研究所細胞生理学研究室
pp.529-530
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900501
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■樹立の経緯
DNA合成に関する温度感受性突然変異株を分離する目的で,東京大学薬学部生理化学教室の大学院生であった村上康文(現・理化学研究所)らがマウス乳癌由来FM3A細胞(P. 365参照)にニトロソグアニジン処理およびトリチウム自殺法を施し,非許容温度(39℃)で速やかにDNA合成が低下することを指標に選択し,分離された細胞株1)。命名法は,わが国で同じFM3A細胞を親株として温度感受性変異株を分離している複数のグループとの申し合せにより,最初に温度感受性(temperature-sensitive)の意のts,次にFM3AのF,その次に分離された機関のイニシアル(Tは東京大学,Sは埼玉がんセンター,Gは癌研を示す),最後の数字は各機関での分離順を指す。
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