増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅳ術後合併症とその管理
消化器系
縫合不全(直腸癌低位前方切除術)
山川 雄士
1
,
牛込 創
1
,
鈴木 卓弥
1
,
加藤 瑛
1
,
浅井 宏之
1
,
加藤 潤紀
1
,
瀧口 修司
1
Yushi YAMAKAWA
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器外科学
pp.219-222
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110219
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直腸癌手術の術式の一つである低位前方切除術における縫合不全(anastomotic leakage:AL)は,臨床的に重大な術後合併症であり,発生率は5.0〜19%と報告されている1).低位前方切除術後のALは,①吻合部の過剰な張力,②排便に伴う吻合部の内圧の上昇,③口側腸管の血流障害,などにより発生する.発症すればQOLの低下,在院日数の延長,さらには再手術や永久ストーマ造設のリスクを伴う.外科医にとってALの早期発見と適切なマネジメントは,術後管理における重要課題である.

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