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入門講座 認知症診療に役立つ全般的認知機能評価のコツ・1【新連載】
全般的認知機能検査の臨床的有用性
Practical tips for assessing general cognitive function in dementia care: clinical utility of general cognitive function tests
小海 宏之
1
Hiroyuki Koumi
1
1関西大学人間健康学部・大学院心理学研究科
1Faculty of Health and Well-being/Graduate School of Psychology, Kansai University
キーワード:
全般的認知機能検査
,
DSM-5
,
神経認知領域
,
構成要素
Keyword:
全般的認知機能検査
,
DSM-5
,
神経認知領域
,
構成要素
pp.59-64
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220540010059
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はじめに
高次脳機能障害者に対する神経心理アセスメントの目的としては,① 高次脳機能障害のスクリーニング,② 障害プロフィールの把握,③ 法的手続きにおける能力判定の補助的資料,④ より適切なケアを行うための一助がある1).
また,神経心理学的アセスメントは,臨床心理アセスメントの方法と同様に,① 生活史および病歴,② 行動観察,③ 面接,④ 神経心理・臨床心理検査,⑤ 医学的検査などの情報により総合的に判断することが大切である1).
さらに,神経心理学的アセスメントを行ううえでの一般的留意点としては,① 事前にカルテ,脳画像など医師から必要な情報を得ておく,② ラポールを形成する(同時に意識状態や意欲の程度,記憶障害・失語・失読・失書・失行などの有無や重症度について打診する),③ 適切なテスト・バッテリーを構成する,④ 患者に検査目的や,検査の構成・特性について説明する,⑤ 感覚機能の低下に対して配慮する(高齢者の場合は,あらかじめいくつかの度数の老眼鏡を検査室に準備しておく),⑥ 無理のない励ましをする,⑦ 注意の払われ方に留意する,⑧ 個人に合った教示方法で実施することが挙げられる.特に,各種の神経心理検査を実施する際には,各下位検査が何を測定するのかをよく理解したうえで,検査を受ける各人に合った教示方法で実施することが最も大切である1).
そこで,本稿では全般的認知機能検査の臨床的有用性について,特に認知症診療における全般的認知機能検査の位置づけと代表的な全般的認知機能検査の特徴を踏まえた使い分けについて述べる.

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