研究報告
保健医療分野の住民組織活動の構造に関する—考察
横森 喜久美
1
,
兵井 伸行
2
1横浜市戸塚区保健所
2国立公衆衛生院保健統計人口学部
キーワード:
住民組織活動
,
構成要素
,
地縁組織
,
セルフ組織
,
パーソンズ
Keyword:
住民組織活動
,
構成要素
,
地縁組織
,
セルフ組織
,
パーソンズ
pp.523-531
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900587
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はじめに
現代は疾病構造・個人の価値観の変化,そしてコミュニティの形が変わりつつあり,組織活動も行政主導型から個人のニーズを中心に考えるものへと徐々に変化がみられる。1986年のオタワ憲章でヘルスプロモーションが提唱され,「よりよい健康を達成させるために,具体的で効果的なコミュニティ活動を通じて効果を発揮する。すなわちコミュニティ自身の努力と運命を,コミュニティの手中とコントロールのもとにおくことである」1)と地域活動の強化が唱われている。住民参加は重要な概念で,その促進のためには住民組織活動(Community Organization)が必要不可欠となり,その重要性が叫ばれている。
しかし,住民組織活動の重要性は保健活動の現場では充分に理解されず,「組織の形骸化」,「組織員の依存性」などの問題点をかかえている。この問題の背景には組織活動そのものが構造的な面から,客観的に理解されていないことが影響していると推察される。
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