通常級における特別支援の現状とスクールカウンセラーの役割

Special needs education and school counseling: the current status of special needs in ordinary classes and the role of school counselors

　本稿の目的は，本誌の読者であるリハビリテーション関連職種の皆様に，現在の「学校」について知っていただくことである．現在の「学校」は非行やいじめのみならず，不登校や学校不適応，発達障害，虐待，ヤングケアラーなど，さまざまな課題に向き合っている．

　筆者は，臨床心理士，公認心理師の資格を有し，東京都下で乳幼児健診や発達相談，療育施設，就学支援などの臨床現場をそれぞれ10年程度経験した後，現在は週のほとんどを，複数の小学校と認定子ども園のスクールカウンセラーとして勤務している．その筆者が本誌に「学校」についてご紹介したいと考えるのは，僭越ながらも「学校」と「リハビリテーション」がもっと近しくならないだろうか，という望みを抱いているからである．つまり，学齢期の子どもたちに，もっとリハビリテーション（療育）を利用してほしいと考えているのである．