学会印象記
「AUA2025」印象記—ラスベガスの熱気とともに
粂川 知之
1
1福島県立医科大学医学部 泌尿器科学講座
pp.810-811
発行日 2025年8月20日
Published Date 2025/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930790090810
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アメリカ合衆国・ネバダ州ラスベガス.言わずと知れたカジノとエンターテインメントの街であり,煌びやかなネオンと非日常感に満ちた観光都市である.その一角,Venetian Convention&Expo Centerでは,また別種の熱気が立ちのぼっていた.そう,American Urological Association(AUA)Annual Meeting 2025—世界最大の泌尿器科医の集いが,2025年4月26日から29日までの4日間にわたり開催されていたのである.100を超える国々から約16000人が参加し,採択された演題は計2700以上.最新の研究成果やイノベーションが次々と発表された.
われわれの施設からも,専門医取得前後の若手医師5名を含む計7名で参加した.私は,ロボット支援前立腺全摘除術後の尿失禁に関する因子について,今年から新設されたInteractive Poster Sessionで発表を行った.これは,参加者との自由討論に加えて,座長が選んだ演題の全体討論が行われる新しい形式のセッションである.私の演題は全体討論には選出されなかったものの,世界各国の参加者と直接意見を交わす貴重な機会となった.英語は決して得意とは言えない私だったが,相手の先生方は丁寧に質問を投げかけてくださり,時には翻訳アプリを介して,なんとか意思疎通を図ることができた.鋭い指摘にどきりとしつつも,新たな視点や研究の展開の可能性に気づかされる瞬間もあった.
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