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2025年4月26日から29日にかけて,American Urological Association(AUA)Annual Meeting 2025が米国・ネバダ州ラスベガスにて開催されました(写真1).本年の会場は米国西部を代表する観光都市・ラスベガスです.ロサンゼルスから乗り換えた飛行機の窓からラスベガスの街が見えてくると,最近新設されたLED外壁の球体型巨大アリーナ「Sphere」にお出迎えされ,着陸前から胸が高鳴りました.観光都市特有の熱気と最先端医学が交差する,非常に刺激的な学会体験となりました.
今回は,Artificial Intelligence(AI)関連のセッションにてポスター発表を行いました.AIのセッションは昨年から新設されたカテゴリーです.ポスターの前で立ち止まってくださった参加者との質疑応答のあとに,3分間で研究内容を口頭発表しました.英語でのコミュニケーションに不慣れな私にも,皆さまが丁寧に接してくださり,無事にディスカッションを終えることができました.AIや翻訳アプリの技術が進歩していますが,AI研究を行う私自身も,最終的には自らの言葉で英語を話す力が国際社会で重要であると強く感じました.昨年のAUAでも同様のセッションで発表させていただきましたが,この1年で他の発表内容や技術が格段に進化しており,AIに対する国際的な関心の高さを実感しました.今後,泌尿器科領域でもAIを手術教育やナビゲーションに活用する流れがいっそう加速していくと感じています.特に印象的だったのは,AIを用いて術中映像をリアルタイムで解析し,術者にフィードバックを与えるAI支援システムの有用性を検証した研究でした.手術教育がAIによって支援される時代が訪れつつある現実は,「手術は師弟間で受け継がれる技術」という認識に慣れていた私にとって,大きなカルチャーショックでした.また,「トラブルが起きたとき,責任はAIと人間のどちらにあるべきか」という質問が聴衆から投げかけられ,AIと医師の関係性の今後について考えさせられました.

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