報告
1患者2人主治医制に寄与する「シャトル」システムの10年間の成果—主治医と患者のより良い関係を維持する1方法
近藤 泰三
1
,
林 範行
1
1岐阜県立多治見病院
キーワード:
病診連携
,
1患者2人主治医制
,
連携医療機関
,
紹介率
,
逆紹介率
Keyword:
病診連携
,
1患者2人主治医制
,
連携医療機関
,
紹介率
,
逆紹介率
pp.220-224
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840030220
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要旨
地域医療連携として「1患者2人主治医制」を実現する仕組みを「多治見シャトル」と名付け岐阜県立多治見病院(以下,当院)にて開始した.「シャトル」システムとは,患者は定期的に連携医療機関へ通院してもらい,当院での定期検査・診察の時期が来たら,当院へ受診してもらう仕組みである.患者の逆紹介時,診療情報提供書を作成する際に,シャトル登録を行い,診療情報提供書に登録日(逆紹介当日)と365日,180日など次回受診予定間隔を入力する.登録患者について抽出を行い,受診予定日の1カ月前に,紹介先医療機関へ受診をお願いする案内文書を発送する.医療機関医師は,当該患者に当院への受診を勧め当院の予約を取り受診となる.本システム開始後逆紹介率は有意に上昇した.紹介先医療機関医師の評価も高く,その後紹介率も上昇した.現在3,216患者に適用されている.シャトルシステムは,「1患者2人主治医制」を実現する1方法として有用と考えられる.

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