Japanese
English
特集 味と匂いの脳科学
Ⅰ.味蕾・嗅上皮から脳への神経回路と情報伝達
匂いの回路の発生,再生と老化
Development, regeneration, and aging of olfactory circuits
深美 陽大
1
,
石山 聖
1
,
竹内 春樹
1
Fukami Haruto
1
,
Ishiyama Satoru
1
,
Takeuchi Haruki
1
1東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻
キーワード:
嗅覚回路形成
,
嗅覚受容体
,
再生と老化
,
認知症
,
嗅覚障害
Keyword:
嗅覚回路形成
,
嗅覚受容体
,
再生と老化
,
認知症
,
嗅覚障害
pp.318-322
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760040318
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末梢の嗅覚神経回路は,外界からの匂い情報を“匂い地図”と呼ばれる神経細胞の時空間的な発火パターンへと変換する感覚処理系である。この神経回路は,嗅覚受容体(olfactory receptor;OR)を含む遺伝子の発現と神経細胞の電気的活動の協奏によって形成される。嗅細胞は生涯にわたって再生可能な神経細胞であるが,その再生能力は加齢と共に低下する。更に,嗅覚機能の低下は,アルツハイマー病などの神経変性疾患との関連が知られている。本稿では,匂い情報の処理を担う神経回路の形成メカニズムを概説し,嗅細胞の再生機構や,加齢に伴う嗅覚組織の機能変化について紹介する。

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