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特集 味と匂いの脳科学
Ⅱ.脳における味と匂いの情報処理と行動発現
摂食行動に関わる味覚・風味への学習・記憶とその脳機構
Taste and flavor learning related to feeding behavior and its brain mechanisms
八十島 安伸
1
Yasoshima Yasunobu
1
1大阪大学大学院人間科学研究科行動生理学研究分野
キーワード:
味覚嗜好性
,
摂取後効果
,
内臓感覚
,
扁桃体
Keyword:
味覚嗜好性
,
摂取後効果
,
内臓感覚
,
扁桃体
pp.323-329
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760040323
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コーヒーやビールなどの苦味呈味物は,新生児・幼児のころには忌避されるが,成人の一部では進んで摂取されている。また,食物の栄養的価値は食物嗜好に影響する1)。苦味嗜好や食物嗜好の背景にはどのような神経生物学的なプロセスがあるのだろうか。本稿では,摂食行動に関わる味覚・風味への学習・記憶とその脳機構や生理基盤を概説する。
飲食物以外が呈する嗅覚刺激への学習・記憶,内分泌代謝系や消化管ホルモンによる摂食行動の制御については本特集の他の総説を参照されたい。本稿では,紙幅の都合から味覚嫌悪学習の詳細には触れないため,他の総説2)を参照してほしい。

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