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あとがき
西口 康二
pp.400
発行日 2026年3月15日
Published Date 2026/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790800030400
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本号には,第79回日本臨床眼科学会の講演論文10報を掲載していますが,そのうち6報が眼形成関連であった点が目を引きます。最近,眼形成分野が元気だな,と感じた先生も多いのではないでしょうか。眼科以外に目を向けますと,消化器外科を含めたメジャー外科の志望者が減少し,形成外科志望がかなり増えているという話題を耳にします。このような現象と重ね合わせると,眼科領域でも似たような流れが起きているのかもしれません。機能と見た目の両方を大切にする眼形成は,臨床ニーズが高い一方で,日本のアカデミアが基礎研究に十分取り組んでこなかった領域です。しかし,この分野の需要は大きく,日本も戦略的に研究開発に取り組むべき分野の一つです。
一方で,本号のなかでぜひ読んでいただきたい一編が,相原一先生による特別講演論文「What is glaucoma?—眼圧との戦い」です。緑内障の本質である篩状板の変形と視神経軸索障害について,あらためて原点に立ち返って考えさせられる内容でした。また,近視進行抑制が,緑内障の治療につながる可能性にも触れられていたところは興味深く思いました。確かに,近視はさまざまな難治性網膜疾患の病態に影響していますので,日常診療を少し広い視点で見直すきっかけになりました。また,基礎研究の成果と将来の治療開発への展望が自然につながっており,何より緑内障への深い思いが伝わってくる,科学的でわかりやすい論文です。

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