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臨床眼科3月号をお届けします。「今月の話題」では,ロービジョンケアの最新の考え方に始まって,クイック・ロービジョンケアやスマートサイトなど一般眼科医に向けた実用的なケアのノウハウについて石子智士先生がまとめてくださっています。また,視覚障害に対する補助具に関しては,最新のデジタルデバイスを中心に紹介されています。さらに,ロービジョンケアが,価値観として定着しつつあるwell-beingを重視し,SNSやAIなどのテクノロジーを取り入れつつ,アップデートを続けているのがわかり,時代の流れを強く感じる内容になっています。それぞれの解説項目は要点が簡潔にまとめられており,診療などで忙しい先生方にとってはとてもありがたいレビューになっていると思います。
涙器涙道の連載は,流涙症について特集しており,竹林宏記先生がご担当されています。Clinical Challengeは,松尾将人先生が,若年性の緑内障の症例について取り上げられています。「臨床報告」の3報はいずれも炎症性疾患に関するものです。それぞれ強膜,視神経,角膜と病気の主座が異なり,オーバーラップが少ないために3つの報告を通読することで,炎症性疾患の多面性を意識しつつ効率よく学習できます。また,本号から,第77回日本臨床眼科学会での原著論文の掲載が始まり,第1弾として10報が掲載されています。緑内障サプリメントの調査報告,白内障とアイフレイルを調べたものなど内容は非常にバラエティーに富んでいますが,歯科医師44名を対象にした多焦点レンズ手術後の眼鏡使用頻度などを調査した論文は一読の価値があります。同じ頭頸部の外科として眼科の仕事に通じるものがあるため,いずれ白内障手術を受ける側の身になるであろう皆様にも興味をもって読んでいただけるテーマだと確信しています。
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