増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
7.加齢黄斑変性
近視性黄斑部新生血管—視力維持のために大事な治療戦略と患者への説明
コンソルボ上田 朋子
1
1富山大学大学院医学薬学研究部眼科学講座
キーワード:
近視性黄斑部新生血管
,
早期治療
,
黄斑部萎縮
Keyword:
近視性黄斑部新生血管
,
早期治療
,
黄斑部萎縮
pp.223-229
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110223
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はじめに
近視性黄斑部新生血管(macular neovascularization:MNV)に対する治療の第一選択は,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)薬療法である。治療に対する反応は良好で,1回の投与により多くの症例で滲出性変化は消失するため,導入期投与は1回,以降は必要時投与が原則とされている1)。しかし,なかには再発を繰り返す症例や,黄斑部萎縮が進行し急激に視力が低下する症例もある。MNVが拡大するほど再発リスクは高くなり,瘢痕形成や黄斑部萎縮により視力が低下するため2〜5),発症後の早期治療が重要である。
本稿では,近視性MNV診療におけるピットフォールについて,実際の症例を紹介しながら解説する。

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