特集 公衆衛生倫理
座談会 公衆衛生の倫理とは何か—現場でのモヤモヤを考えるヒント
冨尾 淳
1
,
中澤 栄輔
2
,
井上 悠輔
3
,
白井 千香
4
1国立保健医療科学院防災・公衆衛生レジリエンス研究センター
2東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻医療倫理学分野
3京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療倫理学分野
4枚方市保健所
pp.392-398
発行日 2026年5月15日
Published Date 2026/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870900050392
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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックでは、感染症のまん延防止を目的として、隔離や行動制限といった個人の自由を制限する措置等が講じられるなど、公共の利益と個人の自由・権利とのバランスを社会としてどのように考えていくべきかという公衆衛生における倫理的課題が改めて浮き彫りになりました。私たちを取り巻く環境が大きく変化する今、「公衆衛生倫理」の視点は、地域保健の現場でもかつてないほど重要になっています。
例えば、ヘルスプロモーション活動は地域保健における重要な施策として、多くの人々に受容されていますが、その一方で喫煙者など健康リスクの高い行動をとる者や肥満者などへのスティグマも時折みられます。また、災害リスクの高いわが国では、大規模災害時の医療資源の配分の在り方や避難や救助に当たっての責任の範囲なども問題となり得ます。

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