連載 Go to the people——バングラデシュと共に歩んだ私の国際保健50年
第三十五編
石川 信克
1,2
1公益財団法人結核予防会
2結核予防会結核研究所
pp.399-404
発行日 2026年5月15日
Published Date 2026/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870900050399
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米国からの警告の発信
国際協力部長としてバングラデシュを含め、途上国でのDOTS(directly observed treatment, short course)展開に忙しくしていた頃、結核研究所の副所長に任命された(1996年)。そのため日本国内の結核対策への仕事も増えてきた。その頃DOTSは途上国向けの方式という認識があり、日本ではまだ定式化されていなかった。
一方、1990年代に入り再び結核罹患率が上昇した米国から、「DOT(directly observed therapy)」という言葉が盛んに発信されていた。しかしこれもまだ日本ではなじみが薄かった。かくいう私も先進国の結核対策にはあまり関心がなかった(米国が用いていたこの「DOT」という表現はその後結核に限らず臨床一般の用語にもなるが、当時のDOTを借用して世界保健機関〔World Health Organization: WHO〕は1995年以降の世界戦略DOTSを展開した。これらの用語の相違は次号で述べる)。

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